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ガラスの家【あとがき付き】藍まりと/ミシェル・リード
傲慢苛烈な彼、だけど後ろを向いた表情が素敵 評価5 5

これは傑作です。 「おこちゃまワガママゴーマンヒーロー大暴れ!」と藍まりと先生があとがきでおっしゃっておられます。確かにヒーローは、人の話をきこうとしない、真実から目を背けるとんでもない頑固男なんだけど、でも、そんなところも素敵!素敵に見えるようにコミカライズされている。 ヒロインは、度量が広いというか、メソメソしたりくじけたりすることが殆どなくて、常に優美な雰囲気。もちろん、あまりのヒーローの無茶ぶりに涙をこらえきれないときもあるけど、優しくてしなやかで、芯が強い。 読者も応援したくなるタイプ。 たいていハーレ原作のヒロインは自分本位なんで、勝手な予想だが、これは原作からインスパイアされた藍まりと先生による物語なのだと思う。 ピタリとはまった素敵な話になっていて、とてもときめきました。

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身分違い塩森恵子/ロバータ・レイ
若き可愛いヒーローが激渋になった様を見るだけで幸せ 評価5 5

身分違いというタイトルはヒロインがお嬢様、ヒーローが労働者階級だから。そんな2人が若き日に愛し合い両親の反対を押しきって結婚。この若さ故の過ち満載の時代をきちんと描いてくれているので、後半の大人になった2人へ心からエールが送れる。 ヒロインは流産、離婚、資産家両親も相次いで亡くなり、独りになり、現在は労働者(苦労して経営者へ)として生きている。お嬢様からの転落で気の毒な状況だったが、そこからの彼女の頑張りがすごい! 数年を経て、経営者として再会するヒーローとヒロインには消しきれていなかった大人の情愛がしっかりと存在しており…! 読んでいて2人の懸命な生き方と、互いへの想いがヒリヒリと感じさせられた。これぞ大人のハーレクイン!

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ジュリア、君の瞳高山繭/キャロル・バック
読んでみてください 評価5 5

ラストのシーンでは涙があふれて読めなくなった。 ヒーローは目が見えない設定で、ヒロインのジュリアはサポートをする専門家としてヒーローの元へやってくるので、最初から何かと身体の距離感が近い。その上、高山繭先生のコミカライズでは、彼の顔のアップが多いので、サングラスをしているヒーローの眉間や口元、顔の角度などで、現段階での二人の距離感や関係が読者に手に取るように伝わってくるのが凄かった。 哀しい過去をバネに力強く活きるジュリアへも心から賛辞を送れる。 ああ、もう文章で説明をすることなそない感動作。読んで!

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少佐の花嫁文月今日子/マリーン・ラブレース
生還した英雄軍人の旦那様に離婚すると言ったら惚れられました 評価5 5

他の方が描いていらっしゃるように、衣装やヘアスタイル、内装や街の描写が素晴らしく、19世紀イギリスの世界に浸りまくれます。今回久しぶりに読み返したのですが、ヒーロー、チャールズの妻への、ちょっと執念深いくらいまでの愛情の強さに最高に滾りました!今の言葉で言うとジレジレの両片思いカップル、執着ヒーロー。自立した考えを持つ大人の女性となった妻に改めてベタ惚れになりつつ、必ず妻ともう一度心から愛し合うようになる!と決意するクリミア戦争の英雄チャールズの漢ぶりに拍手です!

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摩天楼に隠した秘密橋本多佳子/オリヴィア・ゲイツ
ヒーロー、コブラの虜 評価5 5

たくましい筋肉を見せながら筋トレマシーンを使う冒頭のヒーロー。こいつ…確かシリーズ作品で出てきたヒーロー達の仲間だけど、かなり悪い男のコブラだよな?他ヒーローにも嫌われ系の、こいつが今回のヒーローで恋におちるわけ?激しくカッコいいんだけど!!と、この冒頭の6ページもの筋トレシーンで心を鷲掴みにされた。 昔自分と関係したイイ女イザベラとの再会を、筋トレしながら回想するコブラ(本名はリチャード、顎髭あり)。そしてヒロインのイザベラも、コロンビアでのギャングの妻という忌まわしい過去を捨て、今はカタギになっている大人の女性というハーレには珍しい元悪い美女なヒロイン。再会した二人は大人の訳あり男女の駆け引きのみの関係だったはずが、実は…。  橋本先生の描く男くさいヒーロー、そして自立したヒロインが大好きなのだが、この作品は危険な男がヒーローゆえのダークな大人テイストで、そこがとても面白かった。  自分勝手な印象として、作中3分の一が、コブラのたくましい半裸姿(彼は自宅にプールやジムを有しており常時鍛錬する)と感じられたが、そこもハーレコミック作品としてはものすごい冒険をしていて、凄みを感じたし悶えた。

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禁断の夜を重ねて早坂いあん/モーリーン・チャイルド
これを読んだらそこはサンライズビーチ 評価5 5

舞台のカリフォルニアのサンライズビーチの潮とクッキーの香りが漂ってくるような素晴らしい作品。妻が事故死してから人生をあきらめてしまったヒーロー、ドクター・サムが、ヒロインのトリシアと会った途端に太陽に照らされて生き生きと輝き始める。2週間だけのゲストであるサムと、迎える家族側のトリシアがどのように結ばれるのか。静かなサムとにぎやかで優しい大家族との交流や、かわいいクッキー、やガーデンウェディングパーティ。全ての画面が幸福で溢れていて読んでいて自分もサンライズビーチにいるような気がしてワクワクしてくる作品。

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大富豪の嘘つきな恋人緒形裕美/ジャクリーン・バード
ゴージャスでセクシーなヒロインにメロメロ 評価5 5

ヒロインのエロイーズはティーンエイジャーで出会った初恋の人を忘れられない純真な乙女。だが女性性を傷つけられた昔の事件のせいで男性恐怖症、なのに外見は問題児だった美貌の母親譲りのセクシーでゴージャス美女で男たちを虜にせずにはいられない。 ヒーローのマーカスにとって彼女は悪女。しかも17歳でマーカスと出会った時、初心なふりをして彼女に夢中にさせて突然姿を消し、さらに母親と共にマーカスの叔父から莫大な資産を奪った極悪女。ヒーローのマーカス視点から始まる悪女のエロイーズの物語がたまらない。冒頭よりエロイーズとの再会を仕組んでいたマーカスはずーっと彼女にメロメロだった…! このヒロインのビジュアルが緒形裕美先生の作品にピッタリだと思う。緒形作品は、セクシーな女性が秀逸だと以前から感じていたが、ハーレでセクシーさを売りにするのはライバルや悪女キャラになってしまうが、エロイーズは立っているだけで男を虜にする女性。マーカスもブサかわぬいぐるみ以外の男と会ってはいけない!と心配するくらい。そんなエロイーズが自身が傷つけられた過去と対峙して強くなっていく姿に、女性としても共感!

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孤独な城主と囚われの娘松尾しより/ペニー・ジョーダン
良すぎて言葉がない 評価5 5

良すぎて言葉がない…! ヒーローのニコラスがカッコよく、冷たくて怖くて、でも優しくて哀しくて…ハーレヒーローのいい所が満載なうえに、作画が美しすぎる! そしてヒロインのローズマリーの純粋な優しさと「愛」というギフトを兄の遺児キットに私が伝えねばならない!という使命を貫こうとする芯の強い姿には、読者は心から応援してしまうのだ。冥王と言われ、妹の葬式にも来なかったニコラスの真の姿がついに分かった後半、あんなに強かった彼が実は…涙腺崩壊した。 個人的にニコラスの「ローズマリーおばさん臭い」というセリフや、キットと言葉のゲームをやる姿にはぐっと来た。

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月夜の告白高山繭/ルーシー・ゴードン
オシャレでレモンの香りが漂う 評価5 5

読んでいる間中、地中海の風を感じ、後半はレモンの香りを感じる作品だった。 ヒロインのアンジェラと、彼女が演じるおバカタレントのエンジェルの描き分けがとても良く、これだけでアンジェラ本人の持つ品性や知性などといった人となりがよくわかった。その上で、彼女のこれまでの人生の悲しみが分かった時には泣けた。 頑固で一途なヒーローのヴィットリオとは本当にお似合い。 美しいイタリアの景色と高山作品独特のオシャレ感があいまって、まるで地中海を見ながら読んでいるかのよう!

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千一夜の夢に抱かれて真原ゆう/リズ・フィールディング
女子の夢つまりまくり! 評価5 5

冒頭、砂漠で顔に傷のあるヒーロー、ブラムが裸で登場(水浴び後?タオルは有)。初対面のヒロイン、ルビーに「お前のこと知らない」って冷たくあしらうのだけど、日干し煉瓦の階段でコケたルビーを素肌のブラム(下まつげの色気がスゲェ!)が受け止め、抱きしめる。 初対面で色気ムンムンのシークヒーローの素肌に抱きしめられるシチュエーション! はい! そこでもう好きになる!ね?読者もう夢中。冒頭からブラムまっしぐら! 派遣秘書のルビーは色気のない仕事スーツ&ショートヘアなのだけど、色々あって砂漠の国のお姫様になったりドレスアップしたり、そんなルビーにブラムが見惚れたり。ラストはブラムがスーツでロンドンへ。砂漠の古ぼけた砦から都会のビジネスマンに変身したブラムの姿。ワォ素敵! とにかく女子の夢が詰まっている作品!だと思う。

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別れても愛しくて白井幸子/ペニー・ジョーダン
ラストは涙で祝福 評価5 5

大好きな作品。大人の男女の恋愛で、別れた夫婦の元サヤものなのだが、憎んでいるはずの元夫と、中年になってから突然再会し、どうしようもなく惹かれてしまう状況に、読んでいてドキドキが止まらなかった。  病に悩み疲れたヒーローのルイスが渋カッコよく、放ってはおけない弱さも感じさせられ、応援してしまった。ヒロインのレイシーは社会に認められて自信に満ち溢れて美しい大人の女性。二人の娘ジェスの恋愛も交えて、愛する相手と、病と、どう向き合って生きるか、が白井幸子先生の美しい作画で描き出されていく。

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熱い罠緒形裕美/リン・グレアム
傲岸不遜なヒーロー、カルロ。彼は最初から… 評価5 5

冒頭美しい他の男の花嫁ジェシカに向かって傲岸不遜な男カルロが言い放つセリフ。「いつの日か君は—僕の前に跪き愛を請うだろう。その時には復讐してやる。ジェシカ君を絶対に許さない」これは苛烈!強烈!だが私の中ではビバ!ハーレクインヒーロー!と拍手が出る気持ちの良いセリフで、ヒーローの愛の筋が一本通った作品だった(さすがリングレヒーロー)。お金目当ての義理母サニーの作画が色っぽくてキレイで良い。さすが大富豪の4番目(確か)の妻!

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竪琴を奏でる騎士しげまつ貴子/マーガレット・ムーア
カークタス卿が好き! 評価5 5

ヒーローのカークタス卿レイモンに惚れて何度となく再読する作品。若い頃に愛していた妻に裏切られ心と体に傷を負わされたカークタス卿の下へ、とびきり純粋で、でもしっかり者のヒロイン、エリザベスがやってきて真実の愛で癒してくれる。エリザベス自身も修道院で虐待された過去を持つが、逆境に負けない気高さと賢さを持っており、それがとても痛快だ。裏切りと陰謀と権力争いばかりの血なまぐさい時代に、本当の信頼と愛を得る二人が素敵すぎる!読んでる自分も幸せになれる作品。犬、頑張った!

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追憶塩森恵子/サラ・クレイヴン
ちょっと昔の田舎町へタイムスリップ! 評価5 5

ちょっと古い時代(40年以上前)のイギリス田舎町が舞台で、ヒロイン周囲の大人も婚約者の考えも、ヒストリカル以上に古臭く感じてしまうが、そういう時代背景を踏まえて読むと、タイムスリップしたような感じに陥る魅力ある作品。なんせ塩森先生の世界なんでひきこまれる力がすごい。  元は奔放で自由闊達(そして多分肉食系女子)なヒロインが、ティーンエイジャーの頃にやらかしてしまい、ずっと好きだったヒーローと、周囲の人へ迷惑をかけてしまったという罪悪感で、大人になり人生をゆがめた間違った結婚をしてしまいそうになっている所へ、帰ってきたヒーローと再会し本来の自分を取り戻していく。

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伯爵の不都合な花嫁岸田黎子/ジュリア・ジャスティス
まばゆいドレスがキラキラ、だがそれだけじゃない深い物語 評価5 5

夢中で読み、感動した物語!女性が生き方を制限されていた時代、そういうものに反抗をしている聡明で痛快なヒロイン!ただそう思っていたが、それだけでなく魂を深く傷つけられた人間の再生の物語だった。ヒーローが心が広くて良識的で、勇気があって紳士で理想的なスパダリ!だと思っていたが、彼もまた深いところで家族に傷つけられた人間で…。お互いを知り合い(旧知の仲だが)、愛を確かめ合い、二人で再生していく様子をぜひ読んでみてほしい。 ヒロイン母親の事情、個性豊かっぽい兄たちにも興味をひかれるのでいつか原作を読んでみたい。 ドレス、ヘアスタイル、家具調度、19世紀イギリスの風景、岸田黎子作品世界に描かれているそういったもの全ての美しさには冒頭からラストまで垂涎もの。漫画効果のバックのお花も美しい!もっと飛ばして欲しい。

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売られた花嫁白井幸子/キャロル・ディヴァイン
悩める牧場主ヒーローが愛を自覚するもだキュンがたまらない 評価5 5

特殊なコミュニティで育ったヒロインのレイチェルは、普通の現代生活で見るもの聞くものすべてが珍しい。容姿が美しく純真で無垢なレイチェルに、超過保護になってしまう牧場主ヒーローのリンク。素直に気持ちをぶつけてくるレイチェルへの愛に悩めるリンクはカッコよく時々とてもかわいくもある。だが対等な人間として愛し愛されたいというレイチェルの願いの何と崇高なことだろう。彼女の人間としての叫びには感動した。 白井幸子先生の絵柄が好きなので、全編眼福。背景のお花も自然豊かな作品にマッチし読者を盛り上げてくれる素晴らしい作品だった。

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あなたにお熱塩森恵子/シャーロット・ラム
これは本当にコミカライズか? 評価5 5

 人間がいかに愛を必要とし、それに振り回されているか、そしてそれを喜びと感じているのかを、塩森恵先生が熱く語ってくれているすごい作品。塩森先生は人生に対する深い洞察があり、それを漫画で表現しようとする熱量が半端じゃなく深く引き込まれてしまう。また作品内のキャラ達もそれぞれ悩み多き人生と愛を生きている感が凄い。  これって原作があるの?塩森先生のオリジナル作品じゃないの?とさえ感じていた。が、改めてシャーロット・ラム作品と認識し、ヒロインと出会った途端ヒーローが「お前しか見えない」グイグイ感が、これは原作通りなんだろうな、と納得。原作も読んでみたい。

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悲しみの白い薔薇緒形裕美/キャロル・マリネッリ
眼鏡イケメンのセブが超すてき! 評価5 5

幼い頃の二人の境遇と負った傷がとても可哀そうで泣けてくる。このシリーズ中、最も派手さや華やかさのない堅実なヒロインがこのナオミの話だったが、そういう華麗な見せ場がない分、形が見えない「愛」とは一体何なのか、ということを読者に問われているようで一番印象的だったと思う。 なお、セブのロシアでの家族ともいえる仲間たちも登場すると、みんなきた!とこちらも嬉しくワクワクする。

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幸運の鷹宮本果林/ミランダ・ジャレット
独立戦争時代のアメリカで強く活きるヒロインがすごい 評価5 5

舞台が独立戦争時期のアメリカで、戦っているのがイギリス軍とアメリカ植民地軍で、その間に立って信念を揺るがすヒーロー。そして植民地アメリカで暮らす人々…。社会情勢がとっても複雑な時代で、この時代のアメリカ(18世紀)は一般的な日本人にはなじみがないので、ストーリー中での敵味方をなかなか把握しずらかったりする。  しかしその中で懸命に暮らす人々を躍動感豊かに描き切っておられてすごいと思う。キャラがじっとしているページがなく、アクションシーンや小競り合い、戦闘、軍人同士が怒鳴り合っているシーンが多い。そんな中で、ヒーローを助けるため、また自分の子供を守るために立ちまわるヒロイン。ヒロインはよくこんな所で宿屋をやっているなあ、という印象をうける。当時の女性は強く賢くなければ生きていけなかっただろう。 原作もぜひいつか読んでみたいと思った。 ひとっこと、表紙の絵が本当に好き!

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シークのいざない横井里奈/アン・ヘリス
私にとってはこれぞハーレクイン!な爽快な物語 評価5 5

スピード感があってスッキリ読み終われる、例えるならエンターテイメイント映画のような作品でとても楽しめる。 ヒーローのパシャ、シークがめちゃくちゃカッコよい。 ヒロインのクロエはインテリジェンスで勇気溢れる女性。 それでもやはり時代故に自分の自由には生きられず、家の経済状況を救うために決められた婚約者がいる。 この二人どうなるの?という展開なのだが、砂漠の王国があり、そこに悪い組織があって、ヒロインの悪徳な実家があってと盛りだくさん!ラストまで一気に駆け抜けられる爽快感が凄かった。

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愛と喜びの讃歌(カラー版)青鹿毛スバル/マーガレット・ムーア
白黒のみで構成されたカメラワークの優れた画面が素晴らしい 評価5 5

まずめくってみてください。ヒーローは表紙から受ける印象より本文の方が大人の色気を感じる。それがとても好い! クリスマス前の話なので全編雪深い寒いシーンばかり。冒頭は不気味な暗い城に住む悪い噂の絶えない伯爵のところへ、ヒロインのグエンドリンが子供たちの為の寄付を求めて一人乗り込んでいく。この屋敷の描写が、映画を観ているようなカメラワークで、(漫画なんであたりまえだけど)黒と白のみで構成される巧みな画面が不気味さを盛り上げ、侍女のお婆さんと伯爵に対峙した際のヒロインの恐怖と畏怖の感情を読者に効果的に伝えている。まさにゴシックホラーである。 そんな冒頭から少しずつヒーローである伯爵の人間らしさが描写され、同時にヒロイングエンドリンの弱きものへの労りの心と過去の体験が語られて…。 私の好きなバックにお花が散る漫画効果は使われていないのだが、かえって静謐でピリリとした北国の痛いほどの寒い空気感が全編通して感じられ、その上で結ばれていく二人の絆。 ラスト、私の眼には彩り豊かな北国のカラフルなクリスマスが感じられた。

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トスカーナで恋を野妻まゆ美/アン・メイザー
苦み走ったヒーローの渋さが素敵! 評価5 5

え?このおじさんがヒーロー?めっちゃ好みー!!! ありがとうございます野妻まゆ美先生。(羽根くん、女甲子園、めちゃ好きでした) というわけで、コミカライズ版では何歳なのか言及されていないが、既婚の娘と16歳の息子がいる45歳前後であるらしいヒーローのレイフがめちゃ渋くてカッコよい! しかもヒロインは家庭的に恵まれなかったイギリスのアラサー地味女子、そして教師。本当に地味そう。 毒妹、毒親のしりぬぐいでイタリアに来たヒロイン、そこでこの激渋イケおじ(もち金持ち)と出会う、美味しい楽しい嬉しい物語!

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捧げられた乙女のわきねい/アニー・バロウズ
木の実色の乙女と大型犬の体格差に心がわし掴み 評価5 5

不穏で複雑な時代背景に翻弄される二人。ヒーローのジャーがカッコかわいい。犬番と間違えられて…、ていう出会いも素敵だった。ヒロインのマディがたびたび「木の実色の乙女」とジャーに呼ばれるんだけど(主に心の中で)、それがのわきねい作品のキャラにドンピシャに合ってる!と思った。読んでいてその言葉が出るたびに私のテンションが上がった。多分そこに、人間が自然と共に生きている時代、ヒーローのジャーが持つ女性感もあらわされる巧みな表現を感じたからだと思う。でも、単純にヒロインのマディを言い表すのにピッタリな呼び方で、愛がこもっていていちいちトキめくんですよ。 またラスト付近にある肉親による悲しい出来事ではヒロインのマディが可哀そうで…。 ヒーローのジャーは益々彼女を愛して幸せにしてあげて欲しい、と心から思える二人だった。 ラスト一言、体格差がまことに善き。

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聖女の炎【あとがき付き】津谷さとみ/ヴァイオレット・ウィンズピア
家父長ヒーローと苦労性ヒロインのケンカップルが面白い 評価5 5

面白かったー!ほかの方も書いている通り、二時間ドラマサスペンスみたい。それって限られた枠内の中でハラハラドキドキ胸キュンそして家族の人情みと人間の愛憎が表現されている作品という、最高の誉め言葉。 イタリアの美しい海辺の島で、ヒロイン姉妹の悲しい過去と、ヒーロー兄妹の悲しい過去が絡み合って…美しい未来を織りなしていく…。そんな素敵な作品に津谷さとみ作品独特の美しかわいいエッセンスがそこかしこにあり、ハラハラドキドキしつつも幸せ~。 傲慢ヒーローに類するらしいんだが、私はあまり傲慢さは感じず、現代にもヒストリカルにもいる責任感が強く皆を思いやるあまり厳しくなる家父長ヒーローだと思った。 個人的に津谷さとみ先生の描く、ヒーローを好きになりかけたヒロインが一人相手を想うモノローグのシーンが大好きだ。

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シンデレラを探して津谷さとみ/ベティ・ニールズ
最初っからヒロインに惚れている誠実で頼りがいがあり奥手なベティヒーローをニヤニヤしながら眺める 評価5 5

津谷先生の表現するベティ・ニールズ世界が本当に美しくて、ヒーローもヒロインもたった一つの一途な愛をどう守り育てるか、自分の生き方を貫くか、という一本の筋が感じられ、作品が輝く美しい世界と感じられた。  ヒロインが当初から困った状況で、ストーリーが進むと肉親との別れもあり、読んでいてかわいそうで胸を締め付けられるのだが、そんな彼女に当初からなにくれとなく世話をするヒーローが頼りになりとても素敵だ。ヒロインは悲しい時に遠慮なく彼の胸の中で泣くほど心を許しており良好な関係だったが、身寄りのない彼女を救うため(そして彼女を早く手に入れたいため、とベティヒーローの内心を勝手に推量する読者)、一足飛びに結婚(名目だけ)をし、距離が近くなったがゆえの二人の想いのすれ違いが起こる。心配のあまりヒロインに厳しい態度をとってしまうヒーロー、ベティヒーローあるあるな態度なんだが、読者はニヤニヤが止まらない!ヒロインを手放したくないヒーローはちょっとした一計を案じて…でラストはハッピーエンド。  私は膨大にあるベティニールズ原作がコミカライズされるのが大好き、その上津谷さとみ先生も好きなので紙書籍を購入。表紙も装丁も美しくて手に取って眺めるだけでも大満足!

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サンライズ・ヒル葛城しずく/ベティ・ニールズ
丘の上のドクターと運命の出会い 評価5 5

葛城しずく×ベティ・ニールズ またまた大好きな組み合わせでの新作が登場して、とても嬉しい。  ヒーローは誠実で頼りがいがあってカッコよく、ヒロインは清純で一途な女性、イギリスの片田舎の風景、住居の可愛らしい小物やインテリアなど、とても素晴らしい世界を堪能でき大満足した。  毎度ベティのヒーローは静かなる男な上に仕事(医療)にとりつかれており、ヒロインに対する気持ちはラストまで明かさない。だがストーリー進むごとに起こる、ヒロインやその家族の困難な事情に対し、なにくれとなく世話をしていくので、読者だけは彼の気持に通じることが出来る。ヒロインがほかの男と仲良くすることに対して、内心静かなる激しい嫉妬をして、ヒロインに冷たい言葉を投げかけ悲しませたりもする。  今ヒーローのドクター、オリヴァー・ラティマーもそういうふるまいをするのだが、これらをいかにむずがゆく表現するかがベティ・ニールズ作品コミカライズの見せどころであると思う。今回もじっくりと堪能できて満足。途中ラティマーが何度か嫉妬するのだが、ヒロインは全く分からず、そういうジレジレ状態に、読んでいてキュン死するかと思った。  とにかくオリヴァーがめちゃくちゃカッコよいし、ヒロインのヴィクトリアは可愛らしいので画面も眼福!

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謎めいた後見人津谷さとみ/ゲイル・ウィルソン
傷ついたヒーローのイアン、でもつおい! 評価5 5

ヒーロー元軍人イアンが良い!冒頭イアンがたたずんでいるシーンからもうイアンに釘付け。彼は傷痍軍人で、足も不自由だが、その傷が原因で余命宣告されているので、常に静か。杖を持って歩いているのだが、杖の使い方も目を見張るものがありとても素敵。ヒロインを見守る後見人としてのスタンスを崩さない彼。しかし心の中では…。 銃も剣ももともと使い手なので、状況に応じてヒロインを守るために色々な応戦をするのがまたかっこよい!そしてヒロインも守られるだけの女じゃないのが好ましい!特にラストの緊迫したシーンのヒーローの活躍ぶり、ヒロインの覚悟の決め方には心を打たれるものがある。動きを感じるシーンでの津谷さとみ先生の漫画としての描写がすごい!

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誇り高き微笑檀からん/スーザン・ブロックマン
スキンヘッドのヒーローがかっこいい! 評価5 5

昨今世の中にはスキンヘッドヒーローは多いが、少女漫画でここまでカッコよく表現できるのは檀からん先生だけだろう。ヒロインのドレッドヘア?だと思うが、これは少女漫画作画と親和性高くて素敵だ! どっちもかっこいいヒロインとヒーローで、スピード感や展開もまるで洋ドラマ洋画を見ているかのようだった。そんななのでもちろんラストもハラハラドキドキで爽快!

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悪魔に魅せられて青鹿毛スバル/テリー・ブリズビン
色素薄めのヒーローの存在感がすごい! 評価5 5

もし自分がコミカライズするとしたら(出来ないんだけど)、親が金目当てで結婚させるのを嫌って男装してお城を脱走するヒロインの方にばかり焦点を当てて書いてしまうのではないだろうか、と思う。わかりやすいし、絵になる。だが青鹿毛スバル先生のコミカライズでは、悲しい宿命を背負った冷たい目をしたヒーローをより多く描いている。 それがすごくいい! このヒーロー、カッコいい。作画で色素薄めを表しているので、きっとプラチナブロンドにアイスブルーの瞳なんだろうな、という想像を読者は掻き立てられる。そして目がとてもきれい!色素薄いので、漫画はまつ毛も黒で表現されるけど、でもまつ毛の色が薄いんだね、ってわかるまつ毛! そしてそこから繰り出される力なき目力から哀しさや諦めが感じられるんだよね…。 というわけで、読んでると、ヒロインのかわりに自分が結婚諾したくてたまらなくなる、母性本能を掻き立てられるヒーローにおぼれてみて!

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涙色のほほえみ岸田黎子/ベティ・ニールズ
読後の爽快感が半端ない! 評価5 5

読後の爽快感が凄い良かった。 ヒーローの態度が酷ければ酷いほど、ラストに自分の過去と本心を包み隠さず告白し、許しを乞い、愛を打ち明け、愛してほしいとヒロインにひざまずいた時に幸せを感じられる。 ラストに至るまで、ヒーローの魅力(ひどいけどカッコいい)と、ヒロインのひたむきさと豊かな表情、美しい風景やファッションなど、岸田黎子先生の漫画力(読者に読ませる力)にただ脱帽。個人的に岸田黎子作品のバックのお花が大好き!

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