ヒロインの友人がママのブラウニーを食べながら「Wow!」ってしたり、ヒロインがピザに喜んだり、プロムみたいに着飾ってリムジンで…、と随所にアメリカの生活が見えてすごく楽しかったです。ヒーローがとにかくかっこよくて、包容力のある温かいお兄さんみたいな男性が好きな方はきっと好きな話だと思います。

ここまで子供で、自分勝手だと嫌悪感を感じてしまいます。男性からしてみれば可愛いかもしれませんが、実際に仕事をして、自立している女性からしてみたらいい加減にしろと叱り飛ばしたくなります。 絵柄は丁寧で、作家さんは全く悪くないのですが、ヒロインの性格が好きになれず、いくらその生い立ちがあっても全く入り込めませんでした。セットでなければ読まなかったです。

ヒーローのへたれっぷり(でも肝心なところではビシッと決める)が完全な草食系男子で、いつもハーレクインにある俺様系とはまた違って思わず胸きゅん♥でした。私は俺様系大好きなのですが、このような包み込む温かさのある草食系ならむしろそっちの方が理想的かも、と思ってしまいました。だって、「そのスープだって僕が温めてもいい」って、そこまで尽くしてくれる男性っているの？！本当に、楽しくときめきました。

ヒーローとヒロイン、お兄ちゃんとヒーロー妹、おじいちゃんなどはとても魅力的で好感もって読み進めることが出来ましたが、私は元彼とその相手が好きになれませんでした。特に相手が秘書で、もしヒロインに何も落ち度がないとしたら、大人しい顔してただ横恋慕して奪ったってことだよな、とか、援助を得るためにヒロインと結婚しようとした元彼だけど、結局は失敗したわけだから会社はどうなるのかな、とか考えてしまいました。 そのカップル以外はとても楽しく(動物たちものすごく可愛い♥）読み進めることが出来ました。

ありがちな契約結婚なのですが、ヒロインが非常にぼろぼろであること、ヒーローもとんでもなく大富豪というわけではないこと、そして出てくるエピソードが割と日常に起こりえる内容であることから、ハーレクインのあまりに現実離れしたところから、少し日常に返って、そして「恋愛っていいなぁ」と再認識することが出来るストーリーだと思いました。こんな恋愛を経て結婚した両親だと、とても愛にあふれた家庭になるんでしょうね。

話自体はよくあるものなのですが、絵が素敵だから余計にその世界に酔えます。ヒーローの傲慢に見えて優しいところが本当に素敵で★ひとつだけ最後に気になったのが、おじいさん！結局どうなったのか気になってしまいました。

ヒーローは文句なしに素敵です。「だいすきさ」なんて母性本能をくすぐります。可愛い。 ですが！！ヒロインの母には非常に腹が立ちました。彼女がしっかりしないでダメ男と一緒になるものだから、そんな男がいつまでもへばりついて、ヒロインの邪魔をするんだよ！とイライラしてしまいました。最後別の形での幸せを手に入れたから良いのですが、やはりダメ男を呼び寄せる要素が母親自身もあったのでしょうから、その点を反省した上で、娘に対ししっかりと謝罪して欲しいなぁと思ってしまいました。 きっと他の作家さんが漫画化されたら見もしなかった作品だと思います。

ヒロインがヒーローにレイプされてしまうのが、ハーレクインとは思えず思わず続きを読みたくて購入してしまった作品です。絵柄もとても素敵で、雰囲気があってとても好きなのですが、どうしてそこでヒーローはもっと素直になれないのか、ヒロインももっと優しく言えないのか、非常にやきもきさせられました。お互いに精神年齢が低いのかしらん？と思うと、年長な分ヒーローがもう少し包み込む温かさがあれば良かったのかな、とも。ただそうなってしまうとこのお話の不思議な魅力が半減してしまうのかもしれませんね。

よくある、妻を亡くしたヒーローが、子供と仲良くするヒロインに惹かれてロマンス～というパターンなのですが、ありきたり感はなく楽しめました。ヒーローの鈍さ、ヒロインや子供の可愛らしさ、脇役の憎めない感じといい、とても良かったです。また絵柄がとても柔らかく、雰囲気があって、読後感がほんわりと温かい気持ちになれます。何度も読み返したいお話です。